1.プログラムの概要
ソフトテニス大会を運営するに際しては様々な準備が必要です。例えば大会参加者名簿の作成にはじまって,マッチ形式の選択,その形式の下でのマッチ組み合わせ作成,採点票(審判用紙)の準備等々,数え挙げればきりがありません。 また,大会後には結果をWebで公表することも考えねばなりません。
大会運営の準備に当る方は,トーナメント図やリーグ戦の組み合わせ表の作成に,ワードプロセッサ,表計算或いは作図ソフトウェア等を工夫して利用してきたことでしょう。実際には様々なソフトウェアを組み合わせて用いることが求められ,これ1つで十分といったソフトウェアが無いのが事実です。
編集者はこれまで,ソフトテニス大会運営の準備や大会結果公表に際して,Java系の軽量スクリプト言語Groovyで記述した部品プログラムを用いてきました。 入力データはエディタで編集,結果として,例えば大会前の採点票作成に必要なデータはXML(eXtensible Markup Language)データとして,トーナメント図などの図形データとしてはSVG(Scalable Vector Graphics)ファイルを得る,といったプログラムです。 その時々に必要な変更もスクリプトプログラム故に容易であり,編集者にとってはある程度使い勝手の良いプログラムではありますが,とは言え,多くの方に使って頂くには便利とは言い難い面が多いのも本当のところです。
「エディタって一体何?」との質問を受けた経験を踏まえ,先ずはエディタ利用によるデータ入力等を,誰にとっても使い勝ってのよいユーザインターフェース(UI)を通して行える様に改良することとし,この「ソフトテニス大会運営ツールキット」プログラムを開発しました。
プログラム作成に当っては以下の事柄を目指しました。
尚,プログラムはWebアプリケーション作成フレームワークであるGrailsを用いて開発しています。
このプログラムで取り扱い作成しようとする事柄は,大きく2つに分けることが出来ます。1つは大会開催にあたっての準備に属する事柄であり,今ひとつは,大会後の結果公表に関わる事柄です。
トーナメントにおけるペア識別番号とシード番号を対応させたトーナメント図(両山形式)のSVGファイルとJPEGファイルが得られます
任意の参加ペア数に対応したトーナメント図のSVGファイルとJPEGファイルが得られます
LinuxやFreeBSDなどのUNIX環境の下でも,JAVAが動作する環境ならば問題なく動作するものと思われます
プログラム本体を動作させるにあたって,次のソフトウェアが必要です
Windows環境では(*)jdk-1_5_0_17-windows-i586-p(インストーラ)やバイナリ版の(**)grails-bin-1.0.4.zip,(***)batik-1.7.zip,(****)fop-0.94-bin-jdk1.4.zip等をダウンロードすればよいでしょう。LinuxやFreeBSDなどのUNIX環境では,それぞれ対応するtar.gzファイル等を選ぶこととなります。Batikはプログラムで作成されるSVGファイルビュアーとして,またSVG→JPEG画像,PNG画像への変換ツールとして利用します。FOPはプログラムで作成されるXMLファイルを基にして,採点票印刷に必要なPDFファイル作成に利用します
起動されたプログラムへのアクセスは全てブラウザを通して行われます
1台のWebサーバにインストールしておいて,多くの利用者がネットワーク経由でアクセスして用いる形態です。Javaサーブレット対応のWebサーバ(例えばTomcatなど)にインストールして利用できます
動作原理はサーバタイプ・アプリケーションと同じなのですが,ユーザ利用のPCにインストールしておき,利用の度ごとに起動してそのPCをWebサーバとします。そして,ブラウザを通してプログラムにアクセスします。プログラムにより作成されるデータはPC内に蓄積されるようになっており,個人的に用いるのに向いています。編集者自身,この形態で利用しています
「ソフトテニス大会運営ツールキット」プログラムは,実際には編集者自身により2,3の大会に関わって利用したに過ぎません。第20回多度津町スポーツ少年団小学生ソフトテニス大会(平成20年11月),第2回西日本小学生ソフトテニス大会(平成20年12月)での採点票印刷や大会結果の整理に焦点を合わせて作成した経緯から,未だ出来たて,生まれたてといったところです
「面白そうだから一度試してみようか」,「役に立つかどうか見極めるため部分的に使ってみようか」などとお考えの方がいましたら連絡ください。実行環境の整備に少々時間を取るかも知れませんが,そんなに面倒なことではありませんし,一度設定してしまえば後はブラウザ一つで何とかなりますので,利用に関してご心配は全く無用です
実際に大会運営に携わる方々を対象とさせて頂きますが,出来るだけ利用環境に合わせた形でのプログラムの提供を考えています。ご意見を頂きながらより使い勝手の良いツールとして改善していきたいと願っています